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李白「香炉峰」

先日孟浩然の春暁を読み、心の平静を感じたのでもう一つ漢詩を読んでみることにしました。白居易が江州に左遷され、司馬という官職に任命されたときに詠んだものです。

 

左から右に読んでください。

 

香炉峰下、新たに山居を卜し、草堂初めて成り、偶東壁に題す

こうろほうか、あらたにさんきょをぼくし、そうどうはじめてなり、たまたまとうへきにだいす

香炉峰のふもと、新たに山に住居を構えるのにどこがよいか占い、草庵が完成したので、思いつくままに東の壁に題した

 

日高く睡り足りて猶ほ起くるに慵し

ひたかくねむりたりて なほおくるにものうし 

日は高くのぼり睡眠は十分とったのに、それでもなお起きるのがおっくうである

 

小閣に衾を重ねて寒さを怕れず

しょうかくにしとねをかさねて かんをおそれず

小さな家で布団を重ねているので、寒くなどない

 

遺愛寺の鐘は枕を欹てて聴き

いあいじのかねは まくらをそばだててきき

遺愛寺の鐘の音は、枕を高くして聴き

 

香炉峰の雪は簾を撥げて看る

こうろほうのゆきは すだれをかかげてみる

香炉峰に降る雪は、すだれを上げて見る

 

便

匡廬は便ち是れ名を逃るるの地

きょうろはすなはちこれなをのがるるのち

廬山は世間の名誉と利益から離れるにはふさわしい地であり

 

司馬は仍ほ老を送る官たり

しばはなほ おいをおくるかんたり

司馬(官職)は、やはり老後を送るのにふさわしい官職である

 

心泰く身寧きは是れ帰する処

こころやすくみやすきは これきするところ

心が落ち着き、体も安らかでいられる所こそ、安住の地であろう

 

故郷何ぞ独り長安に在るのみならんや

こきょうなんぞひとり ちょうあんにあるのみならんや

故郷というものは、どうして長安だけにあろうか、いや長安だけではない

 

 

★たとえ望むべくして移住した地でなくとも新しく住むこととなった地や職に心の平安をとらえ、新しく住むこととなった廬山を故郷とする白居易の考え方がいいなあと思います。

 

私は最近新しい職に就き、ここの詩とは違い、大変さわがく荒れたところなのですが、この詩のように心の平安をもたらすように物の見方を変えていこうと思います。