
先日、S中学3年生の定期試験対策で漢詩の授業をしました。その中の一つ、孟浩然の「春暁」を紹介します。
左から右に読んでください。
春 眠 不 覚 暁
春眠暁を覚えず
しゅんみんあかつきをおぼえず
処 処 聞 啼 鳥
処処啼鳥を聞く
しょしょていちょうをきく
夜 来 風 雨 声
夜来風雨の声
やらいふううのこえ
花 落 知 多 少
花落つること知る多少
はなおつることしるたしょう
問題1 この詩の形式を答えなさい。
答 五言絶句
解説 4つの句からなる詩を絶句(ぜっく)といい、この漢詩では、「春眠不覚暁」を1句と考えます。春暁は4つの句からなるので絶句です。そして、1つの句が5文字からなっているので五言絶句(ごごんぜっく)となります。
問題2 この詩の韻を答えなさい。
答 暁(Gyou)、鳥(Chou)、少(Shou)
解説 五言絶句では、原則として第2句末と第4句末に同じ響きの語が置かれますが、この春暁は例外で、第1句末、第2句末そして第4句末が押韻となっています。
問題3 この詩を現代語訳せよ。
答
春 眠 不 覚 暁
春の心地よい眠りで、夜が明けるのも気づかない。
処 処 聞 啼 鳥
あちらこちらから鳥のさえずりが聞こえてくる。
夜 来 風 雨 声
昨夜は風雨の音がしていたなあ。
花 落 知 多 少
いったいどれほどの花が散ったのだろうか。
語彙解説
暁: 太陽の昇る前のほの暗いころ、夜明け、明け
覚: 気づくという意味
不覚: 気づかない
処処: あちらこちら
夜来: 昨夜
SV知多少: いったいどれほどのSがVしたのだろうか。